この章を読むことで、人間の思考回路を理解することができ、どこでわからなくなっているのかを理解することができます。
そうすることで、どこを補助すれば解決できるかが、すぐにわかります。
業務効率がかなりよくなりますので、ぜひ、読んでください。
今回もボリュームがあるので、 回に分けて解説していきます。
認知症というのは病態であって、病気の名前ではありません。ですので、脳の病気だけと考えてはいけません。様々、原因があると思ってください。
下の図は、ある一つの思考工程だと思ってください。
上記、物とられ妄想という、現象について解説しましたが、これを現実にどう活かしていくかの一例を説明します。
なにかが見つからなくて怒っている方がいるとします。
軽度認知症の方であれば、思い出すきっかけを作っていくことをします。
なくすまでの経過を一緒に思いだせるようにして誰かが盗むことができないことを思い出してもらうように話をします。
財布がみつからないとの話があったとします。覚えている最後の財布の記憶から、無くなったと思うまでの行動を確認しあっていきます。
その話をしていくとだんだんと記憶が断片的におもいだせるようになり、盗まれたとの思いが消失していくことが多いです。
また、その話をしながら、一緒に探して発見できることが良いです。そうすることで、また盗まれたという話があった時に、信頼度が増しているので、早急に解決しやすくなります。
今回の一例は、通帳をどこにしまったのか忘れてしまったことに対してのアプローチとなります。
次に誤った外界認知によって、盗まれたと思った方へのアプローチ方法です。
この原因はほとんど、本人の性格とまわりとの関係性が大きく影響してます。
ですので、本人の性格からどうやったら納得してもらえるかを考えます。また、他人のせいにしている場合は、本人と盗まれたと言われている人の関係性を調べます。
本人の性格が頑固であったり、自分はしっかりしていると思っていた場合は、見つからない状況を作らないことが一番の対策です。
男の人で頑固だと、周りがどんなことをいっても変わらないことが多く、説得のようなことをすると怒りだして、手をあげてしまうこともあります。ですので、 盗まれたといった場合は、できれば、本人がいないところで見つけて、そっと本人が見つけられるところにおくことができればよいです。
それでも、納得しないことはありますが・・・・。(これが一番困りますね)
頑固な男性の場合は、予防策をしっかりとすることが一番です。
他人が盗んだといった場合は、その人との関係性を調べます。この時は、二つのパターンがあります。一つは、関係がとてもよい。二つ目は関係が悪いです。
関係が悪いのはすぐにわかりますが、関係がよい場合が、一番難しいです。
この関係がよいというのは、表面上ではお世話になっていてとてもうれしいが、世話になっていることへのストレスを本人が感じている。また、どこか不満を感じているが、隠していることが多いです。このストレスや不満は、小さくても起きるので、なかなかわかりづらいです。
これは、「世話になっていて、申し訳ないが離れたくはない」という、交わることが難しい感情が引き起こしていることが多いように思います。
根気よく説明することやその時期がきたら解決するということもよくあります。あまり、積極的に解決にむけようとすると、解決しようとする人が悪いとなりかねません。
上記の2つの例は、いづれも難しい事例でしたが、基本的には2つのポイントをおさえて、どちらがうまく機能していなくて問題となっているのか?を考えていけば、解決方法が見つかります。
一人一人で対応方法が変わる為、一概にこの方法がよいと言えませんが、2つのポイントをおさえて考えていけば、解決しやすくなります。
序章でも説明しましたが、自分を知ることが大事です。
このような本も自分を知ることを深められます。