第2章
基礎知識編
アセスメントができない。わかない。ニーズとなに?課題とニーズはなにが違うの??
等など、初めて仕事をするとわからないことがでてきます。
何年も働いていたとしても、新人さんに「アセスメントってどんな意味ですか?」と聞かれて、答えられなかった方も多いのではないでしょうか。
今回は、ケアプランを作成するうえで、重要なアセスメントについて解説していきます。
まずは、アセスメントの言葉の意味を考えてみます。
ネットで簡単に調べることができます。
アセスメントの本来の意味は、査定、評価、判断などです。
日本国内のビジネスシーンや業種別の現場でも浸透していますが、分野別にアセスメントした後の目的や流れが異なります。そのためアセスメントという同じ単語でも意味合いや言葉の使い方がそれぞれ異なってくる場合があります。
アセスメントの対象は、定量化できるものが基本となります。
定量化とは、数値にできる客観的な情報を指します。
しかし、業種によっては苦痛や不安・心配など、定量化できない主観的な情報も取り入れる場合もあります。アセスメントの意味合いが分野別に異なる部分は、この点にあると言えます。
介護分野でのアセスメントは利用者本人がどのように生活していきたいか、この介護サービスを利用者本人が望んでいるかどうかといった主観的な部分も考慮されます。そのため定量化できない利用者の心への寄り添いや意思の尊重が重要となります。
これを見ても、実際にどうしたらよいかわかりませんよね。
では、介護分野におけるアセスメントをもう少し考えています。
アセスメントは「査定、評価、判断」です。
状況をみて、査定する。
状況をみて、評価する。
状況をみて、判断する。
ということなので、まずは、状況把握することが前提です。そのうえで、査定、評価、判断をすることです。
ですので、アセスメントするには、状況把握ができるスキルが必要です。
状況把握のスキルについて、過去の記事を参照してください。
状況把握をしたうえで、評価をすることになりますが、ケアマネとしての作業はどこにあたるのかというと、課題分析がアセスメントにあたります。
ですので、課題分析力のスキルをみにつけることが必要です。
このスキルはMDSでもつけることができます。
MDSについては別途説明をします。
私の一番のこだわりは、「いかに効率的で効果的な仕事をするか」です。
最近は、AIケアプラン作成等がありますが、私は歓迎しています。これにより、自分で根拠を説明するための資料作りの手間が省けるし、そのほかの業務に集中できる時間をつくることができるからです。
これは、ぜひもっと進化してほしいと思っています。
しかし、私たちがそれを使うことはまだ、もう少しあとになりますので、自らのスキル向上を目指しましょう。
もし、AIケアプランを利用することになっても、このスキルは無駄にはなりません。AIケアプランとの相乗効果で、仕事がものすごく楽になりますので、勉強していきましょうね。
高齢者のケアマネジメントをする上で、最低限必要な基礎知識を習得する必要があります。その最低限は以下の5点である。
①高齢者のADLの特徴
②高齢者の病気の知識
③認知症と間違われる症状
④医学から見た認知症の分類
⑤認知症介護の基礎知識
以上5点の視点が必要です。一つづつ解説していきます。
①高齢者のADLの特徴
高齢者は、2階建ての構造になっていると考えると理解がしやすいです。
基礎となるのは、体力(活動力)にかかっています。
その上に、身体の機能・意欲・環境がのっかているイメージをもつとわかりやすいです。
地盤ともいうべき、体力についてです。
家でじっとしているような、閉じこもり状態だと土台の体力は失われていきます。
土台の体力が失われる為に、結果的にADLは自立性を失われていきます。
これは、みなさんイメージがわきやすいですよね。運動するから、今まで、5Kmしか走れなかったのが、42.195Km走れるようになります。
42.195Km走れていた人が、1週間 運動を全くしなければ、5Kmしか走れなくなります。
また、20代の時と60代では、体力のつきかた等に衰えがでてきます。
ずっと運動していたとしても、60代になれば、疲れやすくもなり、走れる距離が短くなっていきます。20代の時と同じように運動していたら、ケガをしてしまうかもしれません。これは人間である以上、避けられません。
ですので、その方にあった運動が必要となります。定期的に運動して、体力の向上・維持・急激な低下を予防していくことが重要となります。
体力を低下させる要素として、運動以外にもあります。
それは、病気です。
体力を低下させないためにも病気にかからないようにすることも大事なこととなります。
ただ単に、一般的な病気を覚えても見当違いになります。(そのような知識は看護師や医師にまかせるべきである)
土台である体力を失わせる病気についての基礎知識が必要というわけです。
ADLは、病気によっていくらでも低下していきます。
せっかく良い介護を行っても病気でADL低下していては、無駄な努力となりかねません。ここがケアマネ等の介護従事者にも「病気の知識」が求められる根拠です。
病気に対しての目的の違いを整理する。
医師 ー 病気の診断と治療
看護師 ー 病気の看護
介護 ー ADLへの影響を除くため3者が共通するのは健康状態の管理である。
まとめ
アセスメントをする場合は、まずは、高齢者のADLは2階建てで、基礎となる体力を低下させては何もならないこと。体力(活動力)には病気も関係していることの2つを理解しましょう。
古い書籍になりますが、今回まとめて内容は、ここから勉強させて頂きました。
良い本だと思いますので、興味がある方読んでみてください。