HSPコミュニティ × みんなここから × 社会福祉士

色々あってHSPだとわかりました。今後はHSPについて発信していきます。HSPを世の中に広めることと自分を知り幸せな生活を取り戻すことを発信していきます。札幌市近郊で座談会やお食事会を企画中。HSPの輪を広げていきましょう!

教育学部の飯村周平講師が『HSP研究へ招待:発達、性格、臨床心理学の領域から』を出版しました

本学教育学部の飯村周平講師(教育学部)が編集・執筆した書籍『HSP研究への招待:発達、性格、臨床心理学の領域から』(花伝社)が2月20日に出版されました。

HSPとは環境に対する感受性が高い人を表す言葉です。本書は、近年社会的に知られるようになった心理学用語であるHighly Sensitive Person(HSP)に関する日本で初めての学術書となります。

本書の出版にあたって、飯村講師は「社会で広まったHSP情報は、学術的な根拠にもとづかないものが多いのが現状です。それを踏まえて、日本で初めての学術書の刊行を企画しました。この分野の専門家にお声がけし、さまざまな心理学の領域からこの言葉を解説していただきました。学生やその指導教員、対人援助の専門家などの役に立つことを願っています」と語りました。

 

飯村 周平(講師)

イイムラ シュウヘイ

専門分野 発達心理学、青年心理学
担当科目 心理学入門、教育心理学、心理学統計法
研究テーマ 環境感受性理論にもとづく心理社会的発達の個人差メカニズムの解明

 

「とても繊細な人」の、より適切な理解のために

環境感受性が相対的に高い人=HSP(Highly Sensitive Person)。心理学者8名が、発達心理学/パーソナリティ心理学/臨床心理学の各領域から、その最新の研究動向を包括的にまとめ、解説を試みる。HSP研究の現在地がわかる、関係者必読の一冊。

心理学者はHSPをこう捉える――!
30年の心理学研究を総括した、本邦初となるHSPの学術研究書

●目次●
序章 環境感受性を研究する
第1部 発達心理学からみた環境感受性の研究
第1章 人生早期の経験に対する差次感受性とその発達的帰結
第2章 発達における環境感受性の役割
第3章 良くも悪くも学校環境から影響を受けやすい子どもたち

第2部 パーソナリティ心理学からみた環境感受性の研究
第4章 環境感受性とパーソナリティ特性
第5章 環境感受性と心身の健康
第6章 感覚処理感受性と年齢

第3部 臨床心理学からみた環境感受性の研究
第7章 感受性に対する心理支援:回復を支える視点
第8章 感覚処理感受性と共感
第9章 HSPの基礎・臨床アセスメント2024

 

 

HSPは概念が独り歩きしており、科学的根拠からの逸脱が散見される。現状の問題点を整理し、理解を深めるための一冊。

目次より

第1章 HSP にまつわる誤解を紐解く
1 HSP 診断テストにまつわる誤解
2 HSP は生きづらいという誤解
3 ○○型HSP についての誤解
4 HSP と遺伝にまつわる誤解
5 HSP は能力という誤解
6 HSP あるあるにまつわる誤解
7 HSP は脳の炎症という誤解
8 HSC は学校が苦手という誤解
9 HSP は魂のレベルが高いという誤解
10 HSPミラーニューロンの働きが強いという誤解

第2章 HSP の考え方
1 一人ひとりの感受性の違いに目を向けよう
2 HSP の背後にある特性:環境感受性
3 さまざまな遺伝子が少しずつ関与する
4 神経生理システムの敏感さ
5 行動レベルでみられる感受性
6 HSP 尺度とその成り立ち
7 日本人の感覚処理感受性を測定する
8 HSP 尺度の問題点
9 HSP とは何か
10 HSP を花で例える

第3章 HSP は良くも悪くも影響を受けやすい
1 「弱み」としての感受性
2 「強み」としての感受性
3 良くも悪くも影響を受けやすい
4 感受性の違いはどのような意味をもつか?
5 感受性の高さは生得的か?:神経感受性仮説
6 感受性の発達メカニズム:逆U 字仮説
7 出生前の要因が感受性の高まりに関与する?
8 感受性の形成においてどの時期が重要か?
9 HSP はあらゆる環境から影響を受けやすいのか?
10 HSP 研究における良い環境・悪い環境とは?

第4章 HSP にまつわる研究知見
1 他の性格特性との関連
2 他人の感情に良くも悪くも反応しやすい
3 心理教育的介入から恩恵を受けやすい
4 子育てスタイルから良くも悪くも影響を受けやすい
5 精神疾患発達障害の過敏性との関連
6 学校環境から良くも悪くも影響を受けやすい
7 日々の出来事から良くも悪くも影響を受けやすい
8 ポジティブな映像をみるとポジティブな感情が高まりやすい
9 ハイリー・センシティブ・ドッグ
10 わずかな刺激の変化に反応しやすい

第5章 環境を改善するためのヒント
1 ストレスについて知る
2 精神的な健康を測る
3 ストレス反応の心理社会的モデルを知る
4 不安の役割を知る
5 精神病理について知る
6 レジリエンスを考える
7 レジリエンスの要因を知る,把握する
8 ストレスに対する考え方を振り返る
9 身体的にアプローチしてみる
10 生きづらさで日常生活に支障が出るのであれば