長谷川式スケールの質問項目で、どのように答えたら、どんな認知症の傾向があるか?脳の機能がどのていど保持されているのかを判断していくので、おぼえていきましょう。
問4は、答えられなければ、重度の認知症決定です。
問5は、注意の分割能力を確認する項目です。前頭葉機能の状態を確認する項目でもあります。同時に2つ以上の処理ができるかの確認です。
問7は、遅延再生能力の確認です。短期記憶能力の確認項目です。
問8は、言語の流暢性を確認する項目です。素早く物事を思い出して、話が出来るか確認する項目です。
問8・9で、問1~7までに質問した答えを繰り返し答える(保続)ことや問8で同じ野菜の名前を繰り返し答えれば、アルツハイマー型認知症の可能性が高まります。
それでは、次にレビー小体型認知症を疑うチェックリストを紹介します。
上記内容にあてはまる項目があれば、チェックをつけます。
ちなみに、HDS-Rは長谷川式スケールのことです。
つづいて、前頭側頭葉変性症(FTLD)を疑うチェックリストです。
最後に語義失語症候群のチェックリストです。
長谷川式スケールにて「どういう意味?」と聞き返して来たら、FTLD検出セットを行う。
FTLD検出セット
①利き腕はどちら?
②右手で左肩を叩いて下さい。
③サルも木から落ちる の意味は?
④弘法も筆の何?
これを答えられない場合は、意味性認知症。言葉がスムーズにでず、復唱できなければ進行性流暢性失語の可能性が高まります。
私達、介護者側から見た時には、アルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症・ピック病が区別できれば良いと思います。
まとめ
長谷川式スケールで、脳の機能がどの程度か予測ができ、そこから、他のチェック項目もつかいながら、レビー小体型認知症やピック病の可能性を把握することができます。
可能性が高い場合は、おおよそ、その認知症に合わせてケアを実践することで解決に向かいます。
これを聞いて、どう思いましたか?
私は、実際の利用者様と接して、この方法で利用者様も安心して過ごす時間が増えたことと介護負担の軽減にもつながりました。
このことから、ケアプランを実践して頂ける職員が多くなりました。
介護業界を知らない人からは、ケアプランを実践しないことなんてあるのか???と疑問を持つと思います。
在宅の場合は、必ず実践されますが、施設系では、実践されないことが、かなり多いと思います。ネットでも、ケアプランの内容を知らないとか、ケアプランなんて意味あるの?という書き込みがいまでもあります。
この原因ははっきりしていますが、それは、またの機会に説明していこうと思います。
私が5年以上実践して効果があった内容ですので、ぜひ、取り入れてみたくださいね。
全体像を理解するには、この本がピカイチですね。絵や写真も豊富でよいやすいです。
認知症のことを勉強したいと思えば、この本から読みましょう。