状況把握(ケアマネジメントプロセスの根幹)
だれかを援助するためには、その人を知らなければなりません。利用者の状況把握に特化した技術について、まとめてみました。
その為、即時、実践で使えるものであります。
今回、状況把握する前提は、直接介護する人が聞き取りするのではなく、間接的に援助するケアマネや相談員を中心として構成しています。
利用者の状況を把握するために、さまざまな書式が使われています。私が使っているのは、ADL表と名づけて使用しています。ADL表は認定調査票を軸に構成されています。(認定調査表以外の項目もあります。それは、当施設の環境や施設で対応できる内容なのか知るために必要と思われた内容です。その為、施設として対応できる、できない対応が変化したときには項目の増減が必要となります)
ADL表を作る理由
ADL表とは、利用者に対して関わり援助者が2人以上の場合に一定の支援が提供できる様にする為のものであり、会ったことがない人を理解する為の道具でもあります。
ADL表を作成する者の役割
それを作成する立場の者は、直接、援助をする職員の代わりに確認に行きます。とても重要な役割であります。作成する者からみた時は、ADL表とは、援助者に今日からなにを支援すべきかを伝える指示書でもあります。
指示書であるため、必要な支援が書かれていないことは、重大なトラブルを生んでしまいます。もしかしたら、利用者の生命関わる事態もおきかねません。(特に薬の情報は、直ちに命に関わる事態になります)そのことを、肝に銘じてADL表を作成しましょう。
古い聞き取りシートになりますが、下記のような項目で聞き取りをしていた時期があります。認定調査項目をベースとしつつ、独自の項目(朝食の選択や嗜好等)を追加していました。
ADL表の確認方法
最初のうちは、項目ごとに1つずつ確認していきましょう。慣れてきたら、あなたのやりやすい方法で確認をしていきましょう。ただし、項目に書かれている内容に漏れがないよう気をつけてください。
記入方法
できる場合については問題ないが、一人でできない時の確認方法には技法が必要です。
思考パターンを図にまとめました。このように質問をしていき、その結果を記載しましょう。
大きなトラブルになる場合
ADL表が問題となる原因は、ADL表と現実にギャップが起きた時です。
その中でも、施設ですぐに対応できる内容であれば大きなトラブルにはなりません。すぐに解決できるからです。すぐに解決でいないことが大きなトラブルを招きます。
例えば、コールマット等の福祉用具が必要と書いているが、物がない場合。○○時に介助して下さい等、時間が限定されて書かれているが、施設ではそのような対応ができない時等。
聞き取する方は、施設で直接援助できる内容を知らなければ、なにがトラブルになるのかがわからないことになります。
全てを把握することは時間を要することや、対応できる内容が変化することも当然考えられます。
一番、把握していなければならないことは、絶対に対応できないことはなにかを知ることです。これは、直接、介護・看護等に確認すれば良いのです。
次に問題になるのは、一般的に対応できそうな援助の場合である。これは、施設の標準のルールに照らし合わせることである。施設のルールにあわない援助は、要相談となる。その場で決断してはならない。
まとめ
利用者の状況把握をするといっても、テクニックが必要です。また、環境によってできることとできないことはかなり変わります。
例えば、トイレに手すりがなにもついていない環境だと福祉用具の準備が必要か?という聞き取り項目が必要となります。
逆に、トイレに手すりが充実していたり、ベッド環境の福祉用具が充実していれば、聞き取らずとも受け入れてから必要な介護を考えていくことでも構わないのです。
ただし、医療についてはしっかりと確認してください。命の危険があります。家族の言葉だけを鵜呑みにしてはいけない場面が多いので、必要時、医療機関に直接確認しましょう。
状況把握はコミュニケーションです。状況把握は、他人には知られたくないと思われることも聞かないとならない場合もあります。初めて会う方でいきなり、おしっこは失禁しますか??
なんて聞けませんよね!!
ですので、いろいろな聞き方の技術が必要となります。
そこで、下記本も役立つと思いますので、読んでみてください。